タイトル | 失われた時 |
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刊行日 | 2015年7月 |
著者 | グザヴィエ フォルヌレ (著) 辻村 永樹(翻訳) |
定価 | 3000円+税 |
ISBN | 978-4892194009 |
Cコード | 0097 |
ページ数 | 256ページ |
判型 | 四六 |
製本 | 上製 |
シュルレアリスムの先駆と死後、ブルトンらに発掘された作家。
別名〈白い顔の黒衣の男〉。
澁澤龍彥も訳し愛した珠玉の掌篇「草叢の金剛石(ダイヤモンド)」で知られる、
生前既に畸人の誉れ高い、文学・演劇に淫した男の7短篇。
幻想画家・建石修志によるボックスアート作品が、小説世界をさらなる空間へと誘う。
「この人物に関して、妙な噂があった。ゴシック建築の塔に暮らし、夜っぴてヴァイオリンを搔き鳴らしているというのだ」(シャルル・モンスレ)
「フォルヌレよ、汝は何者なのだ。……われわれが闇の中で出会い、その手に口づけした男である」(ブルトン、エリュアール、ユニェ)
グザヴィエ・フォルヌレ Xavier Forneret 1809-1884
別名〈白い顔の黒衣の男〉。フランス、ブルゴーニュ地方ボーヌの裕福なワイン農家に生まれ、若くして莫大な財産を相続する。1832年頃より文筆活動を始め、戯曲、小説、詩集、格言集など多岐にわたるジャンルの著書を豪華な自費出版で刊行するほか、ヴァイオリンの名手として演奏、作曲、音楽評論も手がけた。死後、長らく忘れられていたものの、アンドレ・ブルトンらシュルレアリストの注目により再評価された。代表作は本書『失われた時』(1840)、戯曲『黒衣の男』(1835)、短篇小説『そして月が照り、露が降りていた』(1836)、詩集『詩でも散文でもない水蒸気』(1838)、格言集『無題』(1838)など。
辻村永樹(つじむら・えいじゅ)
1978年生まれ。静岡県浜松市出身。早稲田大学第一文学部卒業。現在早稲田大学、群馬大学非常勤講師。19世紀フランス文学を専門に研究活動を行うかたわら、『GQ Japan』『WIRED』などの雑誌をはじめ各種媒体に翻訳、書評、コラムを寄稿。論文に「イメンストロームの幽霊――『オーベルマン』第2版を読む」(『フランス語フランス文学研究』第105号、2014)、「『夜のガスパール』第一の序文にみられる薔薇十字思想」(『早稲田フランス語フランス文学論集』第14号、2007)など。
【目次】7篇
・夢
・アラブリュンヌまたは夜の貧者
・オロカモノとハープ
・両眼の間の目玉
・絶望
・草叢の金剛石(ダイヤモンド)
・パリにて、九時に