タイトル 貝の穴に河童の居る事
刊行日 2013年9月
著者 泉 鏡花 (著), 石塚 公昭 (著)
定価 2200円+税
ISBN 978-4892193729
Cコード 0093
ページ数 96ページ
判型 A5
製本 上製
  • 内容

    この河童、鏡花に見せたかった!
    鏡花の短篇に、人形作家・写真家の石塚公昭が挑む
    挿絵本の範疇を超えたビジュアルブック。
    「赤沼の若いもの、三郎でっしゅ。」「この左の手を折られたでしゅ。」
    片腕を折られた河童は、人間に復讐したく姫神様にお願いする。
    聞けば、海に遊びに来ていた行楽客の、妙齢のご婦人に気を取られ見つかり、
    逃げ込んだマテ貝の穴をステッキでつつかれ重傷を負ったのだという。
    仇討ちに、座敷に大魚の石投魚(いしなぎ)を放り込んでやりたい……。
    憑かれたような、結部の大団円!
    現世と異界を行き来する、鏡花奇譚の面目躍如!

  • 著者紹介

    石塚公昭(いしづか・きみあき)
    人形作家・写真家。1957年東京生まれ。1977年東京クラフトデザイン研究所陶磁器科卒。1977-79年岐阜県瑞浪市、茨城県高萩市にて製陶業に従事。1980年人形制作、1991年廃れた写真古典技法オイルプリント、1996年人形の写真撮影を始める。実在の人物をモデルに人形(40〜50cm)を制作し写真と組み合わせることで、見たことのない風景を現出させる。ロバート・ジョンソンなど黒人ミュージシャン・シリーズ、江戸川乱歩や澁澤龍彥など作家・文士シリーズを展開。著書に『乱歩 夜の夢こそまこと』(パロル舎、2005)、泉鏡花『貝の穴に河童の居る事』(風濤社、2013)。装丁多数、最近の仕事に伊集院静『作家の遊び方』、亀山郁夫『偏愛記─ドストエフスキーをめぐる旅』など。「中央公論Adagio」表紙画(全25号)。江戸東京たてもの園、世田谷文学館等、展覧会多数。

  • 編集者コメント

    片腕を折られた河童は、人間に復讐したく姫神様にお願いする。聞けば、海に遊びに来ていた行楽客の、妙齢のご婦人に気を取られ見つかり、逃げ込んだマテ貝の穴をステッキでつつかれ重傷を負ったのだという。仇討ちに、座敷に大魚の石投魚を放り込んでやりたい…。憑かれたような、結部の大団円!現世と異界を行き来する、鏡花奇譚の面目躍如!鏡花の短篇に、人形作家・写真家の石塚公昭が挑む挿絵本の範疇を超えたビジュアルブック。新大人の絵本!